変形性膝関節症



[概念] 変形性膝関節症は原因や誘因の明らかでない

1次性のものが多い。

関節軟骨,関節包,靱帯,

筋肉などの老化を基盤にした

退行変性により膝関節に不安定性が生じ,

関節に不等な荷重がかかるため、

関節軟骨は摩耗,破壊し、

関節面の適合性は失われ,

挫滅組織片を原因とする滑膜炎,

関節液の変化なども加わり

関節軟骨障害は進行し発生するものと考えられる。

[頻度,好発年齢]

変形性関節症の中では最も頻度は高く,

中年以後の肥った女性に多く見られる。

[分類]

膝関節には大腿・整骨関節の内側部と外側部,

および膝蓋・大腿関節と3つの関節がある。

それぞれの関節に変形性関節症が見られ,

各関節が単独に侵された場合内側型,

外側型,膝蓋型と分類され、

さらに各関節の組み合わせにより

全型や他の型がある。

内側型,内側・膝蓋型が多く,

全体の半数以上を占める。

[臨床症状]

自覚症状,他覚症状としての疼痛,

可動域制限,関節水症,変形,

側方動揺性が見られる。

①疼痛:変形性膝関節症の患者は

ほとんどすべて落痛を訴えて来院する。

疼痛は歩行時,階段の昇降時,

立ちしゃがみなど運動時痛であり,

安静時痛は比較的少ない。

痛みの部位は障害部位により異なるが,

通常は内側型が多いため膝関節の内側部にある。

膝蓋型の関節症では膝蓋・大腿関節に

負荷のかかる動作をすると膝蓋骨周囲に痛みがみられる。

②可動域制限:ある程度進行すると軽度の屈曲拘縮

(伸展制限)と屈曲制限が見られる。

一般に屈曲制限のある場合は正座が出来ないと

訴えてくることが多いが,

腰かけの動作は十分可能であり

日常生活では支障のないことが多い。

屈曲拘縮はあっても相当高度と

ならないかぎりその障害の訴えは少ない。

③関節水症:変形性膝関節症では

関節の腫脹は滑膜の増殖,肥厚に

よるよりは関節液の貯留によることが多い。

膝が腫れぼったい,膝が重くだるいと訴えてくる。

関節液は黄色,透明で粘稠性は比較的高い。

④変形:障害された部位により内側型では

内反変形が外側型では外反変形が見られる。

他の型による変形は現れにくい。

内側型の関節症が多いので

内反変形を来すものが多く,

このような膝では歩行時の立脚相で

体重がかかると膝内反が増強して,

膝関節が外側に動揺するように見える。

これを側方動揺性という。

[X線所見]

通常の正面,側面像の他に膝蓋骨軸射像

を撮影し観察する。

骨棘形成,関節裂隙の狭小化,

関節面の滑らかさの消失,

軟骨下骨の骨硬化,骨嚢胞の形成,

座骨顆部の変形,亜脱臼が見られる。

時により関節内遊離体や半月板軟骨石灰化が見られる。

最も頻度の高い内側型の変形性膝関節症で

外観上内反変形の見られるものでは膝外側角は

180°以上のことが多い。

[検査]

血液,血液生化学検査,尿検査では

とくに異常所見はない。

[鑑別診断]

ステロイド関節症,神経病性関節症,

大腿骨顆部無腐性骨壊死,

偽痛風, 痛風,慢性関節リウマチなどがある。

問診, X 線所見,検査所見を参考に

すれば鑑別は比較的容易である。

治療方針

①一般的療法,保存療法,手術療法がある。

②一般的治療は患者に対し,肥満を防ぎむしろ減量を勧め,

膝に負担のかかるような行動を避けること,

保温は痛みを和らげること,また膝関節は完全伸展位

で最も安定性が得られるので,

膝関節が伸展位をとれるよう努力して

欲しいなど説明と指導が主となる。

③保存的療法には膝部の筋力強化訓練,薬物療法。

装具療法がある。

保存療法

1 膝部の筋力強化訓練

主に大腿四頭筋の強化が行われる。

仰臥位で膝を伸展したまま下肢を

床からわずかに挙上し数秒保ち元に戻す。

あるいは腰かけた状態で膝を伸展し床からわず

かに煙を離すようにして数秒保ち、

その後元に戻す。

膝蓋・大腿関節に障害がなければ

膝関節を屈曲位から伸展位にして同様の訓練を行う。

また大腿部の内転筋の強化訓練も勧める。

腰かけた状態で膝を互いに内側

でつけるようにさせ数秒保ち緩める。

これらの訓練を一日総計で100回を目標にして行う。

2 薬物療法

主に外用薬の使用を勧め,消炎鎮痛剤の内服は

関節炎症状が認められるときに使用する。

関節内注射は通常ヒアルロン酸製剤を使うが,

炎症症状の有るときは一般的に

ステロイド剤の注入を行うこともある。

3 装具療法

足底板の使用や膝部装具として支柱付き

サポーターの装着を勧めている。

手術療法

高位脛骨骨切り術,整骨粗面(内)前方移行術,

人工膝関節置換術がある。

日高位脛骨骨切り術内側型,

外側型の症例に対して行われる。

適応は内側型では大腿・整骨関節の外側部で

関節軟骨と半月板がよく保たれていることが条件となる。

したがって,術前には必ず関節鏡検査を行い

これを確かめておく。

骨切りの角度は大腿骨骨頭中心と足関節中央とを

結ぶ線が大腿・整骨関節の外側部を

通るように術前に作図し測定し決める。

2 怪骨粗面(内)前方移動術

膝蓋型の症例にたいして行う。

通常は怪骨粗面をそのまま前方に移動し,

外側支帯を解離するのみで,内側への移動は

膝蓋骨の傾斜や外側転位の程度に応じて行う。

3人工膝関節置換術

Unicompartmental 型のものと全置換型のものとがある。

前者は内側型や外側型に使用され,適応は

高位怪骨骨切り術とほぼ同様であるが,

高齢者や骨切り術では矯正出来ないような症例に

対して最も適している。

後者は全型、内側及び外側大腿、脛骨関節の

高度な関節障害の場合に適応がある。

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