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腰椎不安定症による慢性腰痛はなぜおこる 【プロ編】

 
[概念と病態]

腰椎は5分節で構成されていて各分節は椎間板と椎間関節より成る。

各椎間板は上半身を支えるのに必要な圧縮剛性(硬さ)を保持し,椎間関節が動きの方向を規定

することにより,腰椎は全体として滑らかに動く柱として機能する。加齢により椎間板が変性し、

その剛性が低下すると,前弯が増強し荷重が後方へ移動し,椎間板の剛性の低下を後方要素が補う。

そして椎体骨棘,靭帯骨化,関節突起肥厚,棘突起間荷重,下関節突起椎弓間荷重などが椎間板剛性低下の修復機能

として働き,やがて可動性は少ないが十分な剛性を持った柱となる。

これが腰椎の健常な変性過程といえる。ところが何らかの原因で,ある分節の椎間板のみ極端に

剛性が失われると,その部位に応力が集中し,異常可動性を生じ,剛性修復の起きないまま,さらに変性が進むという

悪循環がおきる。

その異常可動性が線維輪外層,椎間関節,傍脊柱筋に刺激となり慢性の腰痛を生じるのが単分節不安定症

mono-segmental instability である。
特発性(孤立的な椎間板変性)以外に,分離すべり症,椎間板ヘルニア手術後,キモパパイン療法後にも同じ病態が生じる。

加齢による椎間板変性が5分節全体に均等に生じた場合でも,椎間板の剛性低下が急速で

剛性修復が追いつかなかったり,前弯が不足で後方要素への荷重移行が行われないと,多分節に不安定性が生じ側弯,

後弯,すべりなどの変形が生じる。

これが多分節不安定症multi-segmental instability である。
上記剛性修復の機転が働けば変形のまま安定化するが,そうでないと荷重により変形が

生じたり戻ったり、伸び縮みするアコーディオン様の腰椎となる。

多分節不安定症には不安定性変性側弯,変性後弯症の一部が含まれる。

【頻度,年齢,部位]

単分節不安定症(特発性)は20~40歳に多く,多くがLas であり,Ls/S がつづく。

慢性腰痛患者の半数以上を占める。多分節不安定症は 50 歳以上で, 70 歳を超える例が多い。

70 歳頃より,急激に椎間板の耐荷重能が低下し,椎間腔が崩壊し多椎間に不安定性を呈する例がある。

側弯型も後弯型も女性に多く,椎間板の脆弱性を遺伝的に保持している可能性がある。

「臨床症状]

1)単分節不安定症(特発性)

腰痛のみで下肢症状はない。


①繰り返す腰痛発作:いわゆるぎっくり腰で, 1回


の発作は1週間程度の持続である。


②起床時の腰痛:起床後30分から1時間程度,腰が


定まらないと訴える。


③中腰ができない:掃除機,

ゴルフのアプローチ,パターなど。


①衝撃で痛い:くしゃみ、段差を降りるなど。


2)多分節不安定症


上記特徴の腰痛以外に脊柱管,椎間孔狭窄症状が,


変形のため生じ得る。

側弯型では稀ではない。

後弯型では体の前でものを持てない。

長く立っていられない。


歩くと下肢が前に出ないなどと訴える

[診断のポイント]

1 単分節不安定症(特発性)X線所見 : 初期に椎間腔狭小化,椎間腔楔状化,回旋変形(側方すべり),

前方あるいは後方すべりが,進行すると終板下骨硬化,traction spur, vac-uum 現象が,
一分節にのみ認められ,他の分節の椎間板には変性所見がない。不安定性を有する部で軽度の側弯を呈する。

前後屈機能撮影では可動域の増強は認められないことが多い。

MRI所見:椎間板 T2値低下,終板下椎体輝度変化が一分節にのみ認められ,他の分節には所見がない。

臨床症状とX線、MRI所見が一致すれば診断確定であるが,典型的な臨床症状はあるが,

X線所見に異常がない,逆に典型的なX線所見があるが,症状がないことがある。

この場合,前者では疾患の初期像と考え,経過観察し,後者では剛性修復により安定化したものと考え放置する。

2 多分節不安定症

上記X 線, MRI所見が多分節に認められる。矢状面では正常な前弯が喪失し,

直線化,後弯が認められ,前額面では種々の程度の側弯が認められる。

こうした脊柱変形が臥位によって軽減し,立位によって増強する。

「治療方針

不安定な分節を安定化させる根治療法は固定術である。しかし、不安定性の程度により

保存治療も有効である。保存治療の目的も分節の安定化なので,コルセットによる外固定が主となる。

外固定を用いて、易刺激性となった発痛源の修復を促し、最終的には剛性修復による分節再安定化を待つ。

「保存療法


1 コルセット


ダーメンコルセット,あるいは

簡易コルセットでもよい。

急性腰痛がおさまっても

2,3 ヵ月継続させ,徐々にはずす。

再発するようであれば,再び装着させる。


2 運動療法


筋力強化により,不安定性を制御

することはできないので,

目的はコルセット装着による

二次的筋力低下の防止である。

前弯不足例には背筋を強化する。

柔軟性を高めるような運動はさせない。


3 薬物療法

急性期,症状の強い例に用いる。

14 理学療法

あくまでも対症治療の域はでない。

「手術療法

1 適応

典型的症状とX線所見があり,コルセット治療が有効であるが,継続困難であったり,改善不十分である場合。

2 手術法

単分節不安定症には前方固定術がよい。単分節に限定出来ない例に,複数椎間固定するのは隣接椎間の

影響を考えて青壮年者には薦められない。多分節不安定症には後方よりCD 法などインストルメンテーションを

用いた全腰椎固定術がよい。

側弯型も後弯型も矯正を過度に行わない臥位での in situ での固定は高齢者にも可能である。

股関節に可動域制限がなければ術後腰椎不橈性による ADL 障害も少ない。

後療法

固定術後の隣接椎間の変性進行,不安定性発生に留意する。

 
当院での施術

筋肉のコリにはDAマッサージ腰の動きを良くする骨盤調整神経にアプローチ内臓マニュピレーション

を行っていきます。

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