慢性腰痛の保存療法


 

【概説]

慢性腰痛には急性期を過ぎて

長く持続する腰痛の他に,

一時緩解した腰痛が繰り返し

発症する腰痛その病因を脊柱と

神経組織に求めることが出来るもの,

腰背筋の筋痙縮に求められるもの,

内臓諸器官に存在する疾患から

発症するもの,および心因性のもの

とに分類することが出来る。

本来治療とは原因疾患を正確に診断し,

それを根本的に治療するべきものであるが,

腰痛は多大の苦痛を患者に与えるため,

原疾患の解明を待たずに直ちに

実施される必要がある。

それ故,種々の疼痛緩解のための治療法を

行いつつ原疾患の診断を行ってゆくのが,

一般的治療過程である。

「治療法]

1 安静

神経および筋肉に刺激を与えないためには

安静が第一である。

臨床での姿勢は側臥位で股関節と膝関節を

屈曲して寝ることが大切である。

背臥位になる時には膝関節の下に

枕または小さなふとんを入れて,

股関節と膝関節を屈曲させ,

腰椎前弯を消失させて臥床させると

疼痛が少なくなる。

同一姿勢を長く持続させないで,

最も楽な体位に頻回に寝返りを繰り返させる

ことが腰痛を軽減させることになる。

日常生活上の指導
O肥満を防ぐこと:標準体重をオーバー

しないよう,体重コントロールに努めさせる。

②立位姿勢:両脚をそろえて立つ時間を短くすること。

10~20cmくらいの高さの足台に1側ずつ交互に

のせて、腰椎前弯を減少させて立つこと。

座位姿勢:身長に合った椅子を選ぶこと。

高すきる椅子には足台を使用して

股関節と膝関節を屈曲させて座ること。

椅子には深く座し,背もたれや肘かけ

橋子を使うようにする。

O物を持つ時の注意:重い物は小分け

にして持つこと。

物は出来る限り体に近づけて抱えたり,

背負ったりすること。

軽度前屈,股関節と膝関節を軽く屈曲さ

せて持つことがよい。

⑤その他の注意:ハイヒールを避ける。

中腰の仕事は出来る限り短い時間で

すませ,時に背中を伸展させる

3 薬物療法

腰痛の強い場合に投与する。

効果のない薬を漫然と投与することは

避けなければならない。

鎮痛剤,筋弛緩剤,精神安定剤,

抗炎症剤などを併用して投与する。

効果のない場合は他剤に変更し,

副作用のある場合には直ちに投与を中止する。

「経口剤のほか坐薬,湿布剤,軟膏剤がある。

4 注射療法

疼痛が頑固な場合に用いる。

静注や筋注の他に,疼痛点への局注,

硬膜外注射(仙骨裂孔からの注射がよ

い), 神経根注射がある。

効果のない場合はむやみに繰り返さないこと。

また効果が一時的である場合にも数回を限度に,

より効果的な治療法にかえることが大切である。

5 装具療法

脊柱保持,運動の制限および腹圧を高める

目的で使用される。

脊柱保持は脊椎固定術の後に用いられるほか,

脊椎炎や脊椎腫瘍に用いられて

硬性コルセットが適応される。

運動制限のために骨粗鬆症で後弯変形の

強い症例に対し, Jewett 装具は前屈を

制限するために用いられる。

腹圧を高める装具としては軟性装具,

いわゆるダーメンコルセットが

汎用されているが,前方は臍まで来

る短いコルセットで十分で、

肋骨まで固定する長い装具は患者に

苦痛(特に呼吸困難)を与えるため適当でない。

一方さらしや帯などもこの目的に適う

方法として用いられている。

長期間の装具装着は体幹筋の萎縮を来すため、

効果がなくなれば直ちに除去するか,

または体操療法との併用が必要となる。

体操療法

収納のと機仙用を減少させることを目的に

行う主として等尺性運動である。

Williams体操 がその1例である、

6種類の運動をすべて行う必要はないが、

1種の運動を10回くらい連続してゆっくり行い、

複数の運動を組合せで朝夕に行うのがよい。

体操療法は機織の強い時に行うとな痛を

増悪させることにもなるので、

腰痛の緩解時に予防的な意味で行口華引法

骨盤引法と下引法があるが、

一般には骨盤牽引法が行われている。

外来通院では間欠的率引法で

10~20 kg の引力で約20分行う。

腰痛が増強する場合は直ちに中止する。

また効果がない場合は数日経過観察で中止する。

入院の場合には持続率引法で、

股関節と膝関節を屈曲させ、

腰椎前弯を消失させた体位 (Semi-Fowler 体位)で、

体重の10分の1の重離を別々にベッドの左右

の端に垂らして骨盤帯と接続して時間を

かけて牽引する。

腰痛が増強する場合は一時中止するか、

他の方法を選択する。

骨粗鬆症の強い例には適応しない方がよい。

8 温熱療法

ホットパック, パラフィン,超短波,

マイクロウェープを腰痛の部位に施して、

血行をよくして疼痛の緩解をはかる。

外来では牽引療法と併用して行われることが多い。

全身温浴も効果がある。

しかし脊椎炎や腫瘍では禁忌である。

9その他の保存療法

鍼の経皮的神経刺激法 acupuncture が

効果的であることもある。

使い捨て鍼で, 1回ごとに抜去する方法がよい。

伏針は種々の合併症を惹起する危険性を

持っているからである。

「手術療法への切り換え]

保存療法にはおのずと治療効果に限界があり,

病因そのものを治すことが不可能な治療法が多い。

それ故,治療効果のない保存療法は

出来る限り早期に中止して,

より効果的な方法を選択することが大切である。

神経組織への直接的な障害は神経機能の

不可逆性をもたらす危険があるわけで,

その可能性が考えられる場合には

保存的治療に固執せず観血的治療に

変更しな切り換え点の判断は、

正確な診察と注意深い経過観察

および種々の臨床検査所見,

画像診断等を参考にしければならない。

て行う必要がある。

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